組織は生き物……どこかで見たフレーズを、ファイターズを見ていると体感する。
去年は、日本シリーズ制覇の歓喜も一瞬のうちに小笠原のFA移籍の衝撃に揺れた。ファイターズの優勝の涙とともに新庄引退を惜しむ涙を流したファンもいるだろう。
今年もまた、ファイターズは生まれ変わりの兆しが。
生き物だからこそ変化は止まない。
日本ハムの新GMに山田SDが就任へ
日本ハムの新ゼネラルマネジャー(GM)に、アマスカウトグループの山田正雄シニアディレクター(SD=63)の就任が決定的なことが18日、明らかになった。高田繁GM(62)が来季からヤクルト監督に就任が確実なため、後任候補をリストアップ。球団のスカウト部門トップを務めており、これまでの球団の強化、育成方針を踏襲できる人物と判断し、内部昇格を決めた。
3年間、初代GMを務めた高田GMが契約が切れる今季限りで退団。ヒルマン監督も就任5年目で辞任と、空中分解しそうなチームの編成権を、山田GMを核とした新体制のチーム統轄本部にゆだねる方針を決めた。かねて藤井球団社長は「我々の球団経営を理解してくれる人」と話していた。すでに大社オーナーの了承も得ており、山田SDの最終決断を待って、近日中に正式決定する。
同SDは63年に大毎オリオンズ(現ロッテ)で主に外野手、一塁手、70年から投手だった2年間を含めて10年間プレーした。打者通算256試合出場で打率2割4分2厘、2本塁打、28打点。投手成績は登板5試合で、勝ち負けなしで現役を終えた。引退後にサラリーマン生活を経た後、日本ハムへスカウトとして入団。04年ドラフトでは他球団が故障などで手を引いた中で、ダルビッシュを「1本釣り」の単独指名で獲得するなど手腕を発揮。独自の路線でアマ選手を発掘してきた。今季、若手主体のメンバーでパ・リーグ連覇を果たした球団の土台を築く、要職を担っていた。
今月いっぱいで契約が切れる高田GMは契約満了を待たずに、監督就任準備などでクライマックスシリーズ限りで現場を離れる方向。日本シリーズには帯同しない予定でいる。現在もシーズン中であるため態勢が整い次第、来季へ向けて山田SDが2代目GMとして始動することになる。
[2007年10月19日9時43分 紙面から]
近年のファイターズの強さを土台から支えたGM制度。その初代GMに就任した辣腕・高田がヤクルト監督へ。
人間、上手くいっているときは現状維持をしたくなる。また、それが最善とも認識されているかもしれない。
けれど、同じ体制を長く続けることが最善とは、歴史は語っていない。
ファイターズは高田さんとはまた違う歴史を築いてきた山田SDをGMに据えるつもりらしい。
高田さんは監督の経験があるGMだった。
現場の苦労を理解し、現場の人間がよりやりやすい環境を作ることを考えてきただろう。それをMLBに慣れ親しんだヒルマン監督がどう感じていたのかはわからないが、少なくともヒルマン監督の手腕は、高田GMの「現場に口を出さない」という姿勢があったからこそ発揮されたものだろう。
山田SDはスカウトとしての色を強く持っている。サラリーマン経験もある。ファイターズフロントのカラーも一新するだろう。
来期監督になる梨田さんは、ヒルマン監督と違って日本の野球、現場に慣れ親しんだ人間でもあるだろうから、ここの接触がどういう化学変化を起こすか、非常に楽しみでもある。
また、大型補強をしなさそうな面子でもある。
更に若手が陸続と出てくるのでは、と期待させてくれるフロント陣である。
今年のファイターズの優勝は、若手が押し上げた優勝だった。
金子、稲葉、ひちょり、賢介…去年の優勝経験のある選手と、それを傍目から見ていた若手、ファイターズの優勝など何の関係も無かった選手…。
彼らは今季、同じ目線で優勝を見て体感している。
ファイターズのメンバーに『特別』な選手はいない。清原であり、小笠原であり、中村である選手はいない。
首位打者を取った稲葉も、ありがちな『孤高のバッター』ではない。むしろ積極的に若手と関わっていく選手だ。
金子も、本能的な男のボス的態度を取らない知的なリーダーシップを発揮するタイプ。
ダルビッシュも、他から賞賛されることを渇望するような選手ではない。
いい意味で、飄々として人間くさい、けれど頭のいい人たちが要になってファイターズをまとめているように見える。
ひとつだけ心配なのは、フリーランスな雰囲気を作ってきたヒルマンが抜けたあと、現場での自由な気風が変わってしまわないか、ということだけ。
でも、それは私が心配しても意味が無いので…ただワクワクしていたいと思う。
そして二連覇の事実を引っさげ、より良い場所を求めて去る高田さんを応援したい。そして第二のファイターズを作って欲しい。
最後に…
ヒルマン監督がロイヤルズ監督就任へ
ヒルマン監督がロイヤルズ監督就任へ
日本ハムを今季限りで退団するトレイ・ヒルマン監督(44)の米大リーグ、ロイヤルズ次期監督就任が決まった。19日、AP通信などが伝えた。
ロイヤルズは、21日までは米球界がリーグ優勝決定シリーズ期間中のため、22日(日本時間23日)に正式発表する予定。
[2007年10月20日8時20分]
念願のMLB監督を手にしました。
自分がやりたい仕事を手にするのは目の前の仕事を全力でやるしかない…と聞きますが、どこの世界でも同じみたいですね。
目前の仕事を最高のパフォーマンスでやりきったヒルマン監督は凄い!
彼自身も、そしてファンにとってもきっと満足度が高い。これは仕事をする上で本当に素晴らしいことだと思う。
ロイヤルズはお金も無く弱いチームだと聞くけれど…ファイターズもそうだったから、慣れていることでしょう。
応援してます。
………まだ、日本シリーズが残ってるけどね(笑)